理想仏国土

以上は、授記の内容を分析し、仏と成為(な)ることを得ん、菩薩の数は称計すべからず、国土は清浄などの言葉によって意味される、個性完成、子女繁殖、万物主管という、三つの内容を見てきたのでありますが、それは人間一人一人に対しての「仏」の願い、あるいは、神様の願いであり、それは、全ての人が、それぞれ個性完成し、理想的な家庭を築き、万物を主管していかなければならないということを意味しています。

しかし、「見宝塔品」以下の法華経「虚空会」において示された世界は、釈迦牟尼仏と多宝如来を中心とする、地上、天上の統一的仏国土とも言うべき世界であります。

個人レベルにおいては、家庭完成者にならなければなりませんが、全体的には、この統一仏国土を完成するのが、仏の究極の願いなのであります。仏が仏国土を創建されることは、『法華経』に限らず、あらゆる仏教経典に示されていることであり、法蔵菩薩が大願を発して、理想仏国土を思念し、成就せんとした内容は、浄土経典において知られているところであります。

イエス様は、悪魔を「この世の神」「この世の君」であると仰られ、この世は、悪魔を主権とする世界であると言われたものでありますが、どうして神主権の世界を創らなくてよいでしょうか。「まず、神の国と神の義を求めよ」と言われますように、神様を中心とした、地上、天上の王国を創建することが、神様の願い、目的を成就することになるのであります。

実に、人間始祖アダムとエバが堕落しなかったならば、アダムとエバがつくる家庭から、神の子女が繁殖し、氏族、民族と拡大して、地上、天上の王国をつくっていくことになった筈でありますが、アダムとエバが堕落することによって、これをなすことが出来ず、神ならぬ悪魔の子女を繁殖し、地上、天上の地獄を形成してしまったのであります。

これをもとがえして、本来の神の願いを実現するために、本然のアダムとエバとして、来られる方が「真の父母」という方であります。それを予示したのが、「見宝塔品」以下の法華経「虚空会」において示された内容なのであります。